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PPH制度利用により中国特許登録時間を短縮
発行日 : 2022.03.17

 

 

明特許出願件加と伴い、2021年基準中国国家知識財産局の明特許審査周期は18.5ヶ月で、高付加値特許審査周期は13.3ヶ月となり、大きく短縮されました。

 

しかし、国際特許業務を行う企業としては苦情を訴える場合もあり、お金をかけても海外での特許登録にかかる時間を短縮させようとする場合もあります。したがって、ここでは国際特許登録時間を短縮することができるPPH制度を提案させていただきたく、その制度について紹介させていただきます。

 

特許審査ハイウェイ(PPH: Patent Prosecution Highway)制度とは?

PPHとは、一国での審査結果を他国での審査に反映し、審査官の審査負担を減少すると同時に、出願人の登録をより早く確保できるようにする制度となっております。簡単にいうと優先審査制度で、一国での審査結果を他国でも反映して早期審査が受けられるようにする枠組みです。

 

PPHのメリットとは?

PPHは大きく三つの方面から出願人に便益を享受できるので、もしPPHが利用できる状況であればぜひご検討ください。

 

第一、出願が優先的に受け付けられるため、審査周期を大幅に短縮することができます。

PPH請求が受け付けられれば、一般的には約3か月くらいで登録決定又は意見通知書のような審査結果を受けることが可能です。一方通常出願の場合、審査結果を受けるためには実体審査段階への進入後平均12ヵ月以上の時間がかかります。上記のことからPPH制度を利用すると審査時間をおよそ1年間繰り上げられることがわかります。

 

第二、オフィスアクション(審査拒否通知)回数を減少させられます。

オフィスアクション(審査拒否通知)の回数が減少することにより、権利取得にかかる時間を節約できるだけでなく、個々のオフィスアクションへの対応費用も節約できるため、出願コストが削減できます。

 

第三、より簡単に特許取得ができます。

PPHは既に第1(先行庁)で「特許可能」という判断を受けた請求項を対象としているため、特許登録可能性も高くなります。

 

PPH請求はいつ可能でしょうか?

 

pph.PNG

 

中国PPH請求のタイミングについて

1) 中国での出願が公開されたことを前提とします。

2) 体審査段階に入った後でなければなりません。

3)オフィスアクション(審査拒絶)通知書1行される前でなければなりません。

 

 

中国PPH関連情報を確認する方法とは?

 

以下の中国国家知的財産権局のホームページにてさらに詳しい関連情報をご確認いただけます。 または、弊社までご連絡いただきますとより多くの情報をご提供させていただきますので、ぜひお問い合わせください。

 

https://www.cnipa.gov.cn/2018-09/20180917153309750750.pdf