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中国、WIPOの「ハーグ」協定及び「マラケシュ条約」に加盟
発行日 : 2022.03.04

世界知的所有権機関(WIPO)は5日、中国が202255日から意匠の国際登録に関するハーグ協定(1999年ジュネーブ改正協定)に基づく国際意匠出願制度を施行すると公式に発表した。また、三か月後にはマラケシュ条約も発効することになるという。

 

 

ハーグ協定
ハーグ協定とは、複数の国に直接出願せず、1つの出願でハーグ同盟のメンバーである複数の国への意匠登録出願を可能にするための意匠の国際登録に関する条約である。



意匠の国際出願制度を利用する場合、各国ごとに代理人を選定する必要がなく、一つの言語で手続きを進められるので、費用が安くなり、登録意匠の権利関係の変更手続き等も一括でできるため、個別の国に直接出願するときより時間を節約できる。

 


現在、中国のシャオミ(小米)、レノボ(聯想)のように、ハーグ加盟国に工場と施設を置いている一部の中国大手企業は既にハーグシステムを積極的に活用しており、この点からもハーグシステムが便利で効率的なグローバルビジネスシステムであることがうかがえる。

 

 

2020年、中国国内の出願人による意匠出願件数は795504件で、世界の約55%を占めている。ハーグ協定への加盟により、中国企業の外国におけるデザインの保護や広報がより容易になるだけでなく、外国企業が迅速かつ簡便に中国でデザイン権を確保することができるため、中国市場への進出も一層容易になる見通しである。

 

 

▼マラケシュ条約(Marrakesh Treaty)

マラケシュ条約は世界知的所有権機関(WIPO)が採択した条約で、視覚障害者をはじめ、読書障害者など、読書が苦手な人のために著作権を一部制限して制定した国際条約である。る。ハーグ協定への加盟により、中国企業の外国におけるデザインの保護や広報がより容易になるだけでなく、外国企業が迅速かつ簡便に中国でデザイン権を確保することができるため、中国市場への進出も一層容易になる見通しである。

 


中国は世界で人口が最も多い国である。現在、中国には1700万人以上の視覚障害者がいる。

マラケシュ条約により、中国及び海外において中国著作物の流通がより円滑になり、より多くの海外視覚障害者が中国の著作物に接する機会を得ることになる。