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中国でPCT国際出願を行う際の注意事項
発行日 : 2022.04.06

 

実体審査と授権に関する手続きは、PCT国際出願の段階に行われるのではなく、国内移行段階に行われるものである。よって、特定の国または地域で特許を登録するには、その国または地域への移行を選択する必要がある。では、中国に移行する場合の注意点について一緒に見てみたいと思う。

 

PCT国際出願の中国移行期間どれぐらい?期間満了の最終日が法定休日の場合、自動的に延期されるのか?

PCT国際出願が中国に移行する場合、優先権を主張する最先の出願日から(当該国際出願優先権を主張しない場合には国際出願日から)30ヶ月である。もし出願人が当該期間内に移行手続きを行わなかった場合、期間延長を納付することによって優先権を主張する最先の出願日から32ヶ月まで延期することが可能である。移行期間満了の最終日が法定休日の場合、自動的に次の最初の勤務日延期され

 

PCT国際出願と中国への国内移行が「同日出願」でもいい?移行種類が国際出願の種類と一致しなくてもいい?

中国特許審査指針第3部第13.1.2の規定によると、移行声明時に「発明特許」「実用新案特許」のいずれか一つだけを選択しなければならず、二つとも同時に出願することはできない。が、例えば国際出願が発明特許の場合、中国移行の際に実用新案特許として移行し、該当する移行書類を提出することは可能である。

 

PCT国際出願が中国国内段階に移行するという通知を受けるのにどれくらいかかる? 

出願人が自発的に移行書類及び移行料を提出する場合、移行書類又は移行の提出日のうち遅い方の日付を移行日とする。移行日が確定されないと、中国国内段階への移行通知書発行できない規定である。もし国際的に既に公開され、最初の優先権日から30ヶ月満了している場合、移行日から約1-2ヶ月ほど経つと中国国内段階移行通知書を受け取ることができる。上記の条件を全て満たさない場合、PCT国際出願中国国内段階への移行通知書受け取るまでに多少時間がかかるだろう

 

▼出願人が費用減免条件を満たす場合、PCT国際出願の中国移行時に費用減免恩恵を受けることができるのか。

PCT国際出願中国移行に対する減免政策は、中国国内と全く同じではない。国際出願受付先が中国の場合、出願料及び出願付加費用免除されるが、中国特許庁の受付先で受理されていないPCT国際出願費用は全額納付しなければならない。国際段階調査機関が中国で、中国国内段階に移行する際に実体審査請求書を提出する場合、実体審査料100%減免されるPCT国際出願国際段階における調査機関が日本特許庁、スウェーデン特許庁、欧州特許庁のいずれかである場合、中国国内段階に移行時に実体審査請求書を提出すると、実体審査料が20%減免され。登録後の年次料金に対する減免方針は中国国内と同じである。

 

▼国際段階回復の優先権への移行日はどのように計上されるのか

中国特許審査指針第3部第15.2.1の規定によると、国際段階において回復された優先権(例えば、国際出願日はその優先権日から12ヶ月後、14ヶ月以内)中国特許庁には認めてもらえないまた、中国特許審査指針第3部第12の規定によると、中国特許協力条約及びその施行規則の関連規定を保留し、国際出願の優先権が中国国内段階で成立しないため、国内段階への移行手続を行う期限依然として元の最初の優先日から開始されるのだ。

 

▼どのような場合に中国に移行することができないの

通常、4つのケースがある。①国際公開において中国指定しなかった場合 ②国際段階で「国際出願撤回」(PCT/IB/307 書式)若しくは「国際出願が撤回されたものとみな」(PCT/IB/325 書式)され転送された場合。 ③32ヶ月満了後、中国に移行するための手続きを行う場合 ④移行日が確定された移行書類又は移行料を定められた期間内に提出していない場合など。

 

▼国際出願が中国国内段階に移行できないという旨の通知書を受け場合、二回目の移行手続きを踏むことはできるのか

特許審査指針第3部第12.2.2の規定によると、出願人が特許法施行規則第103規定された期限内に適切な国内段階移行手続を行わなかった場合、審査官から、国内段階移行手続の欠陥により受理できないという旨の通知書を受けることになる。が、規定された期限が満了する前に再び国内段階への移行手続きを踏んで上記欠陥を克服する場合、中国での当該国際出願は依然として効力を持つことになる。

 

出典:国家知識財産権局カスタマーサービスセンター